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意味がわかると怖い話  幸せの丸い貝

大学で日本の風俗を研究している私は、

休みを利用して、東北の海沿いの道路を歩いていた。 

道路から階段が伸びていて、下には岩場がある。

ふと下りてみたそこには1人の少女がいた。 





少女は岩場を、何かを探すように歩いていた。 

「何か探しているのですか」私は声を掛けた。 

「貝を」少女は言った。

「幸せの丸い貝を探しています」 

貝とはまた奇妙だ。 

それは希少で高級な貝なのかと問えば違うという。
 
食用かと問えば、食べる人もいるが、と言う。

となると、恐らく貝殻が必要なのだろう。 

「祭で必要なのです」と少女は言う。

「幸せの丸い貝が無いと、祭が台無しになってしまう」 

その話に興味を持った私は祭のことを少女に問うが、

少女はよくわからないという。 





親類が詳しいというので、

頼み込んで家まで案内してもらった。 

少女の家はまさに祭りの前日といった様子で、

着くなりたくさんのご馳走で歓迎された。 

酒が入っていたからだろう。

ろくに質問もせぬうちに私は眠ってしまった。




目を覚ますと、もう祭りは始まっていた。

少女はいない。私は一番近くにいた人に話し掛ける。 

「幸せの丸い貝は見つかったのですか」 

「ああ、もうここにあるよ」 

やがて祭りは佳境に入り、

私は幸せの丸い貝がどんなものなのか理解した。
 
ああ、それにしても奇妙な風習じゃないか。










☆解説
幸せの丸い貝
というのがキーポイント。
これを組み合わせると、贄(生け贄)という漢字になる。
語り手は生け贄として捕まった。